年末になると、〈喪中はがき〉というのが届くようになります。
以前は、肉親、特にご父母が亡くなられたというお知らせが届いていました。
人が亡くなるということは、ご家族にとっては悲しい出来事ですが、順番であるなら、〈喪中はがき〉を受け取ったこちらも、亡くなられた方のご冥福を素直にお祈りできます。
ところが、今年、最初に届いた喪中を知らせるががきは、親が子供の死亡を知らせるものでした。
つまり、亡くなったのは私の教え子、本人だったのです。
教え子が亡くなるというのは、今回が始めてではありませんが、親御さんから、子供(教え子)が亡くなったことを知らせるはがきを頂いたのは、おそらく今回が始めてだと思います。
亡くなった卒業生は、学生時代から心臓に持病かかえていました。
その所為か、大学も人より授業料を多く払って卒業していきました。
心臓に持病をかかえていても、コンパなどには出席して、嬉しそうにお酒を飲み、場が盛り上がってくると、〈独り社交ダンス〉を披露してくれていました。
クラブ活動はダンス研究部に所属していましたから、ダンスはお得意なのでしょうが、パートナーも居ないのに、真剣な表情で独りくるくる踊っていた姿を思い出します。
そのうち、彼のダンスが呼び物になり、コンパとなると、同級生や後輩たちからダンスのリクエストがかかるようになりました。
「○○さん、ダンス、ダンス」と、声がかかると、嬉しそうな笑顔を見せて立ち上がり、相手も、音楽もない状態で踊って見せてくれていました。
酒飲んで、くるくる回って踊るもんだから、みんなから「○○さん、本当に心臓が悪いの・・」と、いつも言われていました。
そんなときも、ニタッと笑うだけでした。
生前のそんな姿を思い出しながら、このような文章を書いていると涙が流れてきます。
若い人の死は、肉親ならずともたいへん悲しいものです。

福岡市東区 / PENTAX K5 + DA 15mm F4 ED
昔から、「親より先立つのは、最大の親不孝」と言われています。
それはそうだなと思いますが、○○くんを責める気にはなれません。
足場の悪い雲の上でも、〈独り社交ダンス〉を舞ってくれていると良いのだけれど。

福岡市中央区 / SONY α77 + Minolta AF 24mm F2.8
福岡市の大濠公園で〈独り踊り〉に興じていたおじさん。
このおじさんの踊りは、旅役者が舞台で踊るようなものでした。
「写真撮って良い?」と聞くと、笑顔で「あいよ」と、一層、身振り手振りを大きく、くねくねして見せてくれました。
おじさんの容姿が見事なら、前に置かれたラジカセも、なかなか見事なものでした。
